【特集|離島留学】4島5校に広がる長崎県立高校の離島留学は個性派ぞろい(前編)
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長崎県は国内でも最も多くの島を有する県である。離島地域に県民の約10パーセントが暮らし、県立高校も13ある(2018年5月時点)。現在、離島留学を実施...
島で過ごした子ども時代に「嫌だった」「辛かった」「苦しかった」こと、島での子育て中に親が感じた課題や、島での子育てに対する不安など、島で子どもを育てる「壁」について、リトケイ読者アンケート(※)に寄せられたご意見より、抜粋して紹介します。
※2020年6月8日から6月21日の間にインターネット上で実施
※島の実情を知っていただけるよう、厳しいご意見もそのまま掲載していますが、島の生活環境には、400島あれば400通りの個性があるため、すべての課題がすべての島に共通するわけではありません。ご自身が関わる(または関わりたい)島の固有課題を知りたい場合は、各市町村の担当課へお問い合わせください。
※この記事は『季刊ritokei』32号(2020年8月発行号)掲載記事です。フリーペーパー版は全国の設置ポイントにてご覧いただけます。
●都会に憧れていました。TVで見るファーストフードや遊園地、ファッションは、雲の上でした(スタジオアナグラム/40代)
●高校がなく、進学で親元を離れなくてはならず、困った事があっても近くに親がいなかったため、なんでも自分でしないといけなかった(サクラ/40代)
●多感な時期に引っ越してきたので、島の環境に順応しづらかった。友達はいたが、馴染めていないのに馴染めているような対応だったのが複雑だった(ちきちき南蛮/40代)
●島を離れ、都会のペースについていけなかった時(ほづみ/30代)
●街への移動が不便だったことと教育の質が高くなかったのが嫌でした(ヒコッピー君/50代)
●虫が多い、ハブが出る、移動に時間がかかる(かすみ/30代)
●島を離れ、都会のペースについていけなかった時。言葉が違うだけでいじられたり、よそ者扱いは当然受ける(haze/20代)
●高校の頃、市営定期船が欠航になることを校内放送され、全校の注目を浴びたこと(ラリアットパパ/50代)
●家で毎日が宴会(taka/50代)
●噂はすぐ広がるので、デートする場所がないこと(あつみん/20代)
●東京に行く機会が何度かあったが、島に戻ると、都会の文化や環境との差をひしひしと感じた(台風くん/40代)
●家庭の事情が島中に筒抜け。出る杭は打たれる。何もないため住むには退屈(さお/30代)
●なんとなくの閉塞感(狭い島社会、外部との交流が無いことから生じる「外の世界を見たい」という気持ちがそうさせたのかもしれない)(ちゃみ/30代)
●遠征などの費用が高いことや、台風が来ると大会参加が厳しくなること(せんぷうき/20代)
●私は親の仕事の都合で、小さな島で一時期育った。島は閉鎖的。学校も一つ、クラスも一つ。クラスメイトはほぼ島生まれの島育ち。クラスメイトの親も島生まれの島育ち。仕事も島内なので、悪くいえば世間を知らない。親の噂は子どもの耳にも入り、いじめにも繋がる。そんな閉鎖的な雰囲気と、思考はとても嫌だった(花子/30代)
●何をしても誰かに知られてしまうプライベートの皆無さが思春期以降絶望的に嫌でした(Fuka/20代)
●中学校・高校の部活の遠征が大変でした。遠征自体は小旅行のような形で良いのですが、本土の高校の教室を間借りして練習時間も減り疲れました。また、運動部が県大会に出場しても応援に行けないことも残念でした(ひつじ/30代)
●やたらと島内・市内の学校と交流させられるのが嫌でした。人数が少ないだけでバカにしてくる他校の小学生が嫌でした(さんしま/20代)
●今と違って都会と比較すると情報や新発売のものが到着するのが遅かった(Jaco88/50代)
●狭いコミュニティのため悪口が多い。悪口が生じる理由として、娯楽のネタが少ない、親密すぎる、島の中だけで育って常識知らずな人がいる、声の大きい人の意見が通る古い考えが挙げられる(うつみっこ/30代)
●少ない子どもの中での人間関係は、その近さ・深さがかけがえのないもので、それは大人になった今も同じです。反面、問題解決法の一つとしての「一旦距離を置く」という事が物理的?にも難しく、喧嘩をした時だけでなく微妙な心境の整理が必要な時は、解決するのにずいぶん悩み、苦労しました(むー/30代)
●やたらと島内・市内の学校と交流させられるのが嫌でした。人数が少ないだけでバカにしてくる他校の小学生が嫌でした。
中学校は少しだけ人数が増えましたが、その中途半端な少なさ故に“みんな一緒じゃないといけない空気”は苦手でした。部活を選べないことも悲しかったかもしれません(当時はそれを普通と思い受け入れていましたが)。
高校は本土の学校に進学し、寮生活でした。他の地域から来た子達がすぐに帰省できるなかで、日数(時間)や天気(船の欠航)などの都合で自分達だけが帰省できないことは悲しかったです。また、寮生活のため、クラスの子達の‘お母さんのお弁当’を羨ましく思うこともありました(さんしま/20代)
●野球少年だったので、子どもの頃はリトルリーグに憧れたが島ではリトルリーグに入れなかった。ときどき親と出かける都心で電車の乗り換えがやたらと下手だった(ぜん/40代)
●高校の頃、市営定期船が欠航になることを校内放送され、全校の注目を浴びたこと(ラリアットパパ/50代)
●島の別れは、繋がりが深いからこそ辛い(いとーまん/20代)
●家で毎日が宴会(taka/50代)
●当時はインターネットも普及しておらず、特に文化、娯楽面で首都圏との格差を感じた(ゆ/30代)
●多感な時期に引っ越してきたので、島の環境に順応しづらかった。友達はいたが、馴染めていないのに馴染めているような対応だったのが複雑だった(ちきちき南蛮/40代)
●荒っぽい大人が多く理不尽に怒られ嫌な思いをよくした。制度が昔のまま取り残されており、中学は強制坊主頭だった(まさっち/30代)
●ないです(こうママ/30代)
●成長するにつれて、田舎に住んでいることが不便なように感じ、同級生もずっと変わらないメンバーで、つまらなく感じることが嫌でした(おゆちゃん/20代)
●受験の本の購入は本土に買いに行かねばなりませんでした。また、予備校の夏季講習で1週間都会に滞在するという経験をしました。やはり、受験のことを考えると、学習機会は減り、お金はかかると思います。
私は予備校に行けない代わりに両親が海外語学研修に出してくれましたが、それがなければ英語も苦手なままだったと思います。今、コロナでオープンキャンパスが話題になっていますが、オープンキャンパスに行くなど到底無理だし、考えたこともありませんでした。都会に来るほど情報の格差や認識の違いを実感します(ひつじ/30代)
●転校してきてすぐはやはり環境に慣れず、小さい学校だからこその全員参加のスポーツ少年団は辛かったです。男子はサッカー女子はバレーボール私は運動が得意では無かったのですが毎年優勝しているチームでの厳しい練習は正直辛いことも多かったです(canae/30代)
●今と違って都会と比較すると情報や新発売のものが到着するのが遅かった(Jaco88/50代)
●保育園から中学生までクラスやメンバーが変わらず、常にヒエラルキーが同じメンバーで個性的な子は浮いたまま。文化的にヤンキーが上で勉強する子は馬鹿にされる傾向があり、浮かないようにするのに必死だった。塾や習い事、アルバイトの選択肢がなかった。常に◯◯さんの家の子などラベリングが強い(しおこん/30代)
●中学校に体育系の部活動しかなく元々運動に対して苦手意識があったため、些細なことから不登校になりました。普段から人の目が常にあり、外に出て何かする(写真を撮ったり、ゲームをしたりなど)ことが嫌だった時期もありました。
また、自分の習いたい科目が島内の学校にはなかったり、何かを学びたいと思っても島外に出ないといけないということに壁を感じ、なかなか行動することが難しく苦しかったです(島っこ/20代)
●部活が野球部(男子限定)バレー部(女子限定)文化部の3つしかなく、選択肢が少なくて嫌だった。どうしても野球部が嫌だったけど、私が入らないと9人揃わないということが分かり入部するか悩みました。後から楽しくなったけど、本当はバスケがしたかったです(ハンバーグ/20代)
●子どもの頃は島の暮らしを不便と思わず過ごしました。高校生くらいに大きくなってからは島だからできないことが嫌で早く島外に出たいと思うようになりました。雑誌で見る服や物が欲しかったです(ユーカリ/40代)
●既にある子どもたちのグループ、コミュニティが強固で、新たな人間を受け入れない(かねぽん/佐渡島)
●小児科や耳鼻科がないので、専門的な病院にかかる時は1日潰れてしまう(ni/直島)
●少人数の保育所が閉鎖され、統合化、効率化を図られてしまっている(ふくしん/奄美大島)
●島だから子どもをのびのび自由に育てられると思っている方も多いですが、島や狭いコミュニティだからこそ、のびのび自由にする子どもに問題はなくてもそれを管理しない親にはとても厳しい目でみんな見ています(aki/竹富島)
●スイミング、空手、バレエ、習字など習い事が全くできない。塾もない(はやし/宗方大島)
●子どもに持病などがある場合は、常に医療面での危険と隣り合わせで暮らさざるをえないこと(たなか/沖永良部島)
●共働きなので、子どもを実家に毎日預けている。実家がない子育て世帯は、預かり先がなくて困っている。行政も二の足を踏んでいて、子どもの預かりは幼稚園が午後6時まで預かるくらいで学童がない(よしなり/奥尻島)
●人間関係が悪化すると逃げられない(さんた/福江島)
●家族が島では治療のできない病気を患い、本土の病院に入院となった時には厳しく辛いものがある(はなママ/壱岐島)
●家同士が遠いので、子どもたちだけで遊ぶのは難しい。親の送迎必要(ちげ/屋久島)
●高校生になると島から通わなければいけない。船の時間があり、部活など陸地から通う生徒と同じようにできないこと。帰りの船が万が一、欠航になったりすれば、泊まる場所を探したり、島にいる親としては不安(島のおかん/真鍋島)
●診療所しかなく夜船が出ていないので、急に体調を壊したときの不安と心配が絶えない(シロハラクイナ/竹富島)
●コロナの影響。海士町にはコロナウイルスの患者を受け入れる体制になく、本土からウイルスを持ち込まれることが一番の懸念でした。ちょうど寮生が春休みのタイミングで一次帰省をするタイミングだったので、4月の段階では帰島(帰寮)することを断念しました(よっしー/中ノ島 ※海士町)
●発達障がいや身体障がいのある子どもへのサポート体制とそのクオリティ(ゆかり/徳之島)
●教育の地域格差。私はIターンですが、島に来ると島外の情報に触れることがほぼなく、自主的に探す&成長を求めることをしない限り、それ以上の情報を得ることができないため、島の子が多様な可能性をつくるチャンスを失う(おでこ/奄美大島)
●小さい社会しか知らない状態で巣立ってしまうので、環境の変化に対する適応が難しい。電車の乗り方や切符の買い方など身近な社会生活の経験が圧倒的に少ない。同年代の子と接する人数が限られているので刺激し合う関係が希薄。教育、福祉、医療などの選択肢が少ない(ユキ/中之島)
●少子化による本土の学校との統合問題(koderayu/菅島)
●お産や病気、怪我のときは本土へ行かざるを得ない。通院には交通費がかかる上に、天候にも左右される。仕事の種類が限られ賃金も安いことが多いため、お金の心配が尽きない(なみっち/屋久島)
●習い事が少ない。雨の日の遊び場がない(しまねこ/伊豆大島)
●住まいと仕事。島で大人は生活がどんな感じかが未知(こりたん)
●住む家と土地。学校や病院など、子育てに関する施設の有無(こそだていちねんめ)
●進学先が限られる、早く親元を離れることになる。習い事や塾などが限られる(ちょこ)
●不妊治療と仕事を両立できず仕事を諦め、子どもにも恵まれなかった。不妊治療休暇が取れれば良いのにと感じた(しま大好きっ子)
●同世代で競い合える仲間がいるか(シマダ)
●自分たちが文化に寄り添えるかどうか。いい人たちと繋がれるか(池田)
●良くも悪くもコミュニティの狭さ。(クラス替え等がなく、環境の変化に対応する力が育ちにくいのではないか?)(ちぐ)
●親戚などの協力が前提のところが多く移住者としては難しい場面が多々ある。仕事が少なく収入も低いのが次なる課題(らりぃ)
<ご回答いただいた皆さま>
てんママさん、くみこさん、ますちゃんさん、ウエセドシホコさん、キクリンさん、ハルビヨリさん、しのりさん、あんこさん、まるさん、しまねこさん、かっちゃんさん、光景ママさん、ユキさん、ヘコさん、よーすーぼーさん、たけさん、カナナマンさん、星空ガイドさん、TJさん、kojiさん、さちこさん、なおさん、なみへいさん、ゆいさん、しまちょうさん、島のおかんさん、三児の母さん、flower&fruitsさん、かよさん、トムりんさん、ふるふるさん、池田さん、離島ファンの都民さん、ごろにゃんさん、いっちゃんママさん、てらこさん、たおさん、セイさん、らりぃさん、りゅうさん、ちぐさん、はやしさん、ちげさん、makoさん、niさん、たこちゅうさん、おでこさん、さやえんどうさん、寝屋子の島さん、はなママさん、島女さん、ともさん、Mioさん、koderayuさん、はるもんさん、ゆかりさん、橋本浩さん、takaさん、YUKIさん、まるこさん、A.M.さん、小林由佳さん、むぎさん、かんかんさん、iさん、repさん、makiさん、あずまるさん、ハルイロさん、島のコンシェルジュさん、なななさん、八島ゆかりさん、ムカイさん、こりたんさん、ちょこさん、たなかさん、Ucalyさん、やっくんさん、シマダさん、ゆいまるさん、ゼンさん、桜人さん、すかっこさん、ミナスミスさん、ようへいへいさん、上田さん、モコさん、裏砂漠好きさん、よっしーさん、ヘコさん、長崎支店長さん、だいふくさん、もっとさん、なべわたじはめさん、海辺野夏雲さん、マムさん、カドジュンさん、よーすーぼーさん、あまみほさん、モリさん、ふくしんさん、シマグラシS錠さん、ころすけさん、やまねさん、これからの教育について悩む母さん、こそだていちねんめさん、雄大さん、しま大好きっこさん、かねぽんさん、ごごQさん、Kenkenさん、あまみっこさん、MKさん、アリさん、よしなりさん、Rikouさん、シロハラクイナさん、akiさん、しゅりさん、Naoラテさん、ASさん、さんたさん、犬好きさん、ぎょうざさん、M.yukikoさん、初老に剣心さん、キャンベルスープさん、わかめさん、にし汁Loveさん、aqualand777さん、花子さん、おゆちゃんさん、よっこさん、そらさん、あたりさん、こうママさん、tomさん、しぃさぁ〜さん、TOMさん、だいふくさん、みょんさん、うつみっこさん、のぞみさん、guriyoticさん、バジル栽培初心者さん、そーだいさん、むーさん、ぜんさん、さんしまさん、長崎支店長さん、にし汁Loveさん、とりとりさん、スタジオアナグラムさん、サクラさん、ラリアットパパさん、いとーまんさん、ともごんさん、あたりさん、海辺野夏雲さん、takaさん、ゆさん、ちきちき南蛮さん、まさっちさん、浜津のキャクサレさん、S.Kitagawaさん、太剛志さん、せんぷうきさん、けんきちさん、ソフトクリームさん、しぃさぁ~さん、あいさん、上田さん、ダンさん、モコさん、hazeさん、あつみんさん、台風くん、ひつじさん、canaeさん、きーさん、ほづみさん、Jaco88さん、やまねさん、ヒコッピー君、家島次郎さん、たおさん、雄大さん、さおさん、黒糖焼酎大好き兄さん、Halさん、かすみさん、はるさん、しおこんさん、たまきさん、よしなりさん、島っこさん、Fukaさん、ミイヤトイラさん、ハンバーグさん、よっこさん、しまこさん、ちゃみさん、ユーカリさんご協力をありがとうございました。
島×子育ての「壁」にどう向き合うか?
子育て中に立ちはだかる壁には、個人の価値観や各家庭の事情によるものもあります。しかし、その問題に交通・医療・教育などの社会インフラが絡み合う場合は、けして個人だけの問題ではありません。地域差はありますが、離島地域には本土と異なる法律や制度も存在するため、個人では解決できない問題は、市町村や都道県、地域づくり団体などに相談することが有効です。ひとりで抱え込まず、悩みや解決策を共有することで、子育ての壁を超えていきましょう。
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