【特集|離島留学】鹿児島の離島で学ぶ子どもたち その笑顔が学校と地域存続のカギに(中編)

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鹿児島県が推進する山村留学制度では、離島を有する県内13自治体も同制度を活用している。2017年度は九州本土と離島地域の導入地域で、全国各地から160人の小中学生を受け入れた。ここでは三島村の事例を紹介する。
(記事前編はこちら)

※この記事は、『季刊ritokei』24号(2018年5月下旬発行)「島と親子に離島留学という可能性を」特集連動記事です。

文・竹内松裕

三島村「しおかぜ留学」の留学生募集チラシ。詳細は三島村ホームページで案内される

里親の想いが支える三島村の「しおかぜ留学」

鹿児島県三島村(みしまむら)の竹島(たけしま)・硫黄島(いおうじま)・黒島(くろしま)の3島では「しおかぜ留学」を実施している。

島内に高校がなく、中学卒業後に進学を希望した場合は島外に出なければならない。若い世代が社会人になり島に戻ろうとしても職がない。こうして児童・生徒が減っている小中学校の存続と地域活性化を図るために、1997年から始まった。

里親型で小学4年~中学3年生を対象とし、期間は1年間で希望すれば継続可能。2018年度の留学は19人で、新規受入数が9人、前年度以前からの継続が10人となっており、北海道や鹿児島のほか関東や関西圏などから三島村にやってきている。

同村教育委員会によると、留学生はゲーム依存や不登校などの問題を抱えたケースが多い。留学生は携帯電話やゲーム機を里親に預け、地域のなかで生活を送る。かつて不登校だった留学生も、夏頃には学校に通えるようになるという。

子どもたちの成長が里親としての喜び

竹島で生まれ育った日髙忠一さんは、1999年から約20年間にわたって里親として活動を続けている。現在、島内の里親は日髙さん夫妻だけで、今年度は6人の留学生が暮らしている。

「一度学校が閉校になってしまうと、再開するまでに10~20年かかることもある。そうならないようにと、里親を続けてきました。よその子ども預かる責任があり、子ども好きでなければ絶対にできないと思います。そろそろ潮時かなと感じることもありますが、なかなか里親になる人がいないのが現状です」と話す。

もちろん、里親としての喜びもある。「子どもは1年で変わります。小さな島だから、地域のみんなが自分の子どものように接するし、そうした環境で素直になっていく。その様子を間近で見て、実親さんたちの喜びにも触れられるのが里親の良さだと思います」

離島留学の環境に慣れることができず、途中で地元に帰る留学生がいる一方で、結びつきが強まり卒業後も交流が続くこともある。あるOBとは連絡を取り合う間柄で、あるOBグループは日髙さんの還暦祝に島をサプライズ訪問して喜ばせたという。

「しおかぜ留学」継続ために、今後の課題として里親の確保が挙げられる。村では2018年度、留学生用の宿泊施設「しおかぜハウス」を黒島に建設し、里親を募集。すると長野県から30歳代の夫婦が応募し、現在は同施設で4人の留学生の生活を見守る里親となっている。島の学校の存続をかけて、島ぐるみの取り組みが続く。
(記事後編に続く)

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