【勉強会レポート】離島留学って実際どう?リトケイ中城の「シマ育勉強会vol.1 佐渡島編」レポート

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みなさん、こんにちは!

小学校1年生と6年生の姉妹を育てるリトケイ編集部の中城です。

今期からリトケイ編集部として活動を始めた私はただ今、明けても暮れても島、シマ、しま。シマの魅力に日々感動しまくっている離島ビギナーです。

この春、初めて甑島(こしきしま|鹿児島県)を訪れました。そこでは、初対面にもかかわらず島の人たちも一緒に行った人たちもみんなで子どもたちを見守ってくれる環境があって、心底ホッとする感覚を覚えたのです(ご飯はおいしいし、人は優しい。もはや天国?)。

そんな島体験をした私としては、この夏スタートするリトケイの離島留学プロジェクトの存在は、めちゃくちゃ気になる存在です。

とはいえ、いざ子どもを離島留学させるとなると、住む場所は?期間は?地域性は?メリット・デメリットは? などなど、疑問も不安もてんこ盛り!というのが親としてのホンネです。

そこで、離島留学リアル世代の中城が、2023年7月6日に開催された“離島留学のリアル”を情報交換するオンラインイベント「シマ育勉強会Vol.1 離島留学の基本と佐渡島・松ヶ崎&内海府のリアルな子育て環境」の様子をお届けします!

※このプロジェクトは、子どもたちを取り巻く社会課題を解決することを目的とした日本財団「子どもサポートプロジェクト」の一環です。

離島の子育て環境を学ぶ「シマ育コミュニティ」誕生

この夏、離島経済新聞社は、島外の親子や島の受け入れ団体が共に子育てや教育について学ぶ「シマ育コミュニティ事業」をスタートさせました。

シマ育コミュニティでは、2023年度に全10回のオンライン勉強会と、さまざまな島の注目したい子育て環境や、全国の離島留学制度についての情報発信、離島地域へのモニターツアーを通じて、島の共同養育環境の魅力化を図っていきます。

第1回となるオンライン勉強会のテーマは「離島留学の基本と佐渡島・松ヶ崎&内海府のリアルな子育て環境」。人口約5万人が暮らす佐渡島(さどがしま|新潟県)で離島留学に取り組む、2地域のゲストにご参加いただきました。

7月6日に開催された「シマ育勉強会Vol.1 離島留学の基本と佐渡島・松ヶ崎&内海府のリアルな子育て環境」

リトケイ編集長が「離島留学のキホン」をレクチャー

登壇いただいたのは、佐渡島の松ヶ崎(まつがさき)で離島留学の受け入れを行っている地域おこし協力隊の石井沙耶さんと、「子どもの元気は地域の元気プロジェクト」の山崎聡子さん。

そして、同じく佐渡島の内海府(うちかいふ)エリアに東京から一家そろって離島留学し、今年度から地域おこし協力隊に就任した佐藤昌栄さん。「内海府留学」の情報発信・サポートを手がけています。

まずは、リトケイ側から統括編集長の鯨本あつこが、離島留学の基礎知識や昨今のトレンドをレクチャー。

これまでにリトケイで特集した離島留学の記事も紹介しながらキホンをレクチャー

ちなみに鯨本は、シマ育勉強会の趣旨を、「単純に“離島留学”を紹介する場ではありません」と説明。

「離島留学という仕組みで、島の共同養育環境に参加することは、お金を払ってサービスを利用するということだけでなく、“共同”の一員になることでもあります。

シマ育コミュニティでは、子どもを島で育ててみたいと思う親子側と受け入れる島の方々が共に学び、離島留学や島の共同養育環境に対する理解を深めることで、ミスマッチをなくし、より良い関係性や、より良い子育て環境を育んでいきたいと考えています」

ひとりの親として離島留学に臨む上でも、この言葉に大切なことが凝縮されていて超シビれました。

いよいよ島で離島留学を受け入れる石井さん・山崎さんと、離島留学を機に島に移住された佐藤さんが登壇。異なる立場の方から聞くリアルな離島留学のお話はとーっても興味深いものでした!

離島留学って実際どう?受け入れ団体に聞いてみました!(松ヶ崎留学)

続いて、「松ヶ崎留学」を受け入れる側の石井さんと山崎さんのお話。それぞれのチャレンジ精神を引き出す、伸び伸びとした教育環境をメインにお話を伺うことができました。

地域おこし協力隊の石井さん、「子どもの元気は地域の元気プロジェクト」山崎さんのお話(松ヶ崎留学)

▶︎石井さんと山崎さんにお話を聞いてわかったこと。

〈離島留学実施の背景〉

  • 島内の子どもが減っているという課題があり、2018年に発足
  • 学校が閉校になると地域の文化活動も途絶えてしまう。地域にとって重要な学校という存在に再び活気を取り戻したい

〈教育環境〉

  • 松ヶ崎小中学校は、小中連携校で小学生は17名、中学生は12名が在籍(2023年度)
  • 小学校3年生以上は全て地元以外の子ども
  • 中学校は少人数でも活動できる卓球部や陸上・駅伝部に注力
  • スクールカウンセラーと図書館司書が来訪
  • 定期的に保護者の方との座談会を実施
  • 定期的にキャリアカウンセリングを行う
  • 島内の他の小中学校と連携した活動(遠隔授業や修学旅行など)

〈独自の課外活動〉

  • 伝統芸能の「鼓童」研究生との定期的な交流がある
  • 宿泊体験学習のソロキャンプ体験
  • 伝統的な遠泳大会の開催
  • 国語の授業の一環で「ビブリオバトル(書評合戦)」を開催
  • 中学校の生徒会発案で、生徒同士が相互にカウンセリング(ざっくばらんなトーク)を実施

〈暮らしの環境〉

  • 学区内の各地区それぞれに独自の鬼太鼓があるのが特徴
  • これまで学童保育がなかったが、2018年に松ヶ崎小中学校と多田保育園の保護者で立ち上げた有志の団体「子どもの元気は地域の元気プロジェクト」の主導で、赤泊小学校に隣接する学童保育施設と、市のマイクロバスを利用できるようになった
  • 「子どもの元気は地域の元気プロジェクト」は、松ヶ崎離島留学の運営や、今後留学・移住を考えている家族を積極的にサポート

〈イチオシポイント〉

  • 地域の方全員が子どものことを知っている
  • 自分たちで学ぶ姿勢を引き出す教育環境がある
松ヶ崎小中学校で学ぶ子どもたち

1人の存在を大切にする島の教育環境では、それぞれが目立たずにやり過ごすことはできません。個々とじっくり向き合い、表現力を培う教育環境は、少人数制の学校ならではの魅力です。

>>松ヶ崎留学の詳細はこちら

離島留学って実際どう?経験者に聞いてみました!(内海府留学)

続いては、子どもと一緒に佐渡島へ渡り、地域おこし協力隊として「内海府(うちかいふ)離島留学」をサポートする佐藤昌栄さんの「内海府留学」のお話。親として、移住者として、さまざまな視点からレクチャーしてくれました!

離島留学を機に一家で島に移住した、佐藤さんのお話(内海府留学)

▶︎佐藤さんにお話を聞いてわかったこと。

〈離島留学を決めた背景〉

  • コロナ禍で東京の暮らしに閉塞感を感じて一家で離島留学を検討
  • 4月スタートの離島留学に対して直前の2月でも募集を受け付けてくれた(内海府離島留学では1年を通して随時留学生を受け入れている)
  • 見学の際には、学校をあげて歓迎してもらいうれしかった
  • 一緒に連れて行ったペットにも優しくしてくれた

〈教育環境〉

  • 東京では学習面で自主性に乏しかった子どもが積極的に発言をするように
  • 個性を認め合いながら進める、ほぼマンツーマンの授業
  • 生徒が少ない分、校長先生や中高生、地域の人みんなが友だちのように交流できる
  • 計11人の小中学生は、3人が島内、残り8人が島外出身
  • 漁船に乗って漁を経験し、魚を捌く体験が印象的だった
  • 伝統芸能の鬼太鼓に力を入れている
  • 自校で給食をつくっているため、柔軟な対応をしてもらえる

〈暮らしの環境〉

  • 子どもと一緒だからこそ、地域とのつながりも育みやすい
  • 「空き家に電気がついていることがうれしい」と喜ばれた
  • 島での仕事探しは、漁師さんや組合の方に相談に乗ってもらえる
  • 地域全体のSNSリテラシーの底上げに尽力している

〈イチオシポイント〉

  • 新鮮な魚料理と雪解け水で育つお米のおいしさに感動
  • 魚や米、野菜などとにかくおすそ分けが多い
民話になぞらえた「鬼の田植え」に参加する内海府小・中学校の児童生徒たち

デザイナーであるご自身と、建築家のパートナー、小学生の息子くん。家族3人で挑んだ離島留学は、家族それぞれにとって新鮮な体験の連続のよう。当初は1年を予定していた島での日々は、今年で2年目に突入です(帰るタイミングを失ったと言っていましたが、それだけ居心地がいいってことですよね。笑)。

子どもの学ぶ姿勢の変化や、異なる世代とつながる友だちのような関係性、地域との交流など、受け入れる側と留学した側の両方の意見が聞けたことで、離島留学の先に広がる暮らしぶりがおぼろげながら想像できました。

>>内海府留学の詳細はこちら

次回のシマ育勉強会は8月10日(木)に開催!

たとえ同じ島内であっても、それぞれの地域と深く関わり合う離島留学は“どこでも同じ”なんてことは決してありません。離島留学へ寄せる思いは人それぞれですが、人や地域と関わり合う中で第2の故郷の思い出を育むような、ひときわ特別な時間を過ごしているのだと感じました。

そんなわけで今回の「シマ育勉強会」は、予定の60分を超過するほど盛りだくさんの内容でした!が、まだまだ離島留学の奥は深い!シマから得る学びは、もっともーっと広がっている予感しかないです。

シマ育コミュニティでは、今後も月に1度のペースで、全10回のオンライン勉強会を開催します。離島留学に興味がある方はもちろん、現状の子育てに課題を感じている方、自然豊かな環境で子どもを育ててみたい方、教育・お子さんのサポートに興味のある方は、きっと新たなヒントが得られるはずです。

ちなみに次回のシマ育勉強会は、8月10日(木)の20時から開催。4つの有人離島を有する三重県鳥羽市の離島、答志島(とうしじま|三重県)の離島留学と子どもの居場所づくりにフィーチャーします!

参加は無料。お申込みいただいた方は、後日アーカイブでの視聴も可能です。ぜひご参加ください。

>>「シマ育勉強会Vol.2 みんなでつくる子どもの居場所づくり&答志島の子育て環境」

シマ育親子モニター&ヒアリング協力者を募集しています

※募集は終了しました

シマ育コミュニティでは、2023年度に子育て環境や離島留学に関する意識調査と離島地域へのモニターツアーを予定。本調査にリアルな声をお寄せいただける、本土地域在住の親子モニターを全国より募集しています。

【募集概要】

対象:離島留学をはじめとした島の養育環境に興味があり、幼児〜小学生の子どものいる本土地域在住のご家族

募集人数:30組

ご協力いただきたい内容:

①ヒアリング調査

令和5年夏〜秋にかけて30分程度のヒアリング(オンライン)にご協力ください。内容に応じて、追加でヒアリングをお願いする場合があります。

②現地モニター調査

ヒアリング調査後、ご希望のあるご家庭から抽選で3組に、現地の共同養育環境を体験いただく2泊3日〜4泊5日程度のモニター調査(令和5年秋〜冬に開催)へのご参加をお願いします。渡航地域は8月下旬迄に決定予定。居住地〜現地までの交通費および宿泊費はプロジェクト側で負担します(現地でかかる食費等の一部は実費)。

募集期間:令和5年8月末日迄(募集人数に達した場合は募集を終了します)

<応募方法>
こちらのフォームよりお申し込みください。追って離島経済新聞社よりご連絡差し上げます。
https://forms.gle/FUKNQb43MEh4xSns8(Googleフォーム) ※募集は終了しました

ご意見・ご質問を募集しています

シマ育コミュニティでは、シマ育勉強会の登壇者やリトケイスタッフへの質問、勉強会で話してほしいテーマのリクエストなども随時受け付けています。
info★ritokei.com(★マークを@に変えてお送りください)

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