十島村で見た「通船作業」|取材日記

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シマ育さがしに北へ南へ

こんにちは!シマ育コミュニティ編集部の水嶋です。普段は、鹿児島県にある沖永良部島(おきのえらぶじま)という離島で暮らしています。

シマ育プロジェクトでは今年度、メンバーが北は北海道(天売島)、南は鹿児島(与論島)まで、さまざまな離島に飛び回って島の子育て環境について調査中。目的は、「人口減に悩む島」と「孤育てに悩む日本の家族」がよりよい形で出会い、両者の課題を解決するため、まずは現地に飛んで実態を知ろう!ということです。

島で愛された経験があれば頑張れる。佐賀・高島で教わった「寮母の哲学」

お話を伺う相手は、離島留学を受け入れている学校や行政関係者、寮制を取っているところはその寮監さんなど。みなさんの口から発せられる含蓄のある言葉に、後頭部をスコーン!と叩かれるような衝撃が走ることも多々あります。順次、記事としてみなさんが読める形にしていきたいと思いますので、引き続きチェックしてください。

離島留学とは

文・ネルソン水嶋

十島村で見た「顔の見える通船作業」

そんな中、10月はトカラ列島の十島村に行ってまいりました。十島村は、最北の口之島から最南の宝島までなんと全長160km(!)あり、「日本一長い村」と呼ばれています。そこにある7つの有人島(口之島、中之島、諏訪之瀬島、平島、悪石島、小宝島、宝島)すべてで1991年度より「山海留学」という離島留学制度に取り組んでおり、今回はその中の3島、小宝島、悪石島、宝島へ。

小宝島では、上陸早々に驚かされました。船と港の間に架けられたタラップを降りたところ、それを揺れないようにと支えるヘルメットを被った作業員のみなさんから「お疲れ様です!」と明るい挨拶。みなさんフレンドリーだなぁーと思いながら港で送迎を待っていたら、そのうちの一人の方が近づいて来られ、「はじめまして、教頭の東です」と挨拶。なんと、その方こそが取材予定の先生でした!

小宝島の人口は54人(2022年6月時点)。赴任中の教職員も含めて、漁師から電力会社職員まで、動ける人たちはみなさんが荷役組合に参加しており、週に2度、上りは早朝(出港時間はなんと5時40分!)から船を港に付ける「通船作業」をしているとのこと。

私が暮らす沖永良部島では、とくにお年寄りの中で「小さい島だよ」と自嘲気味に話す方もいますが、それでも人口は約12,000人。港に船を付けるために、島民総出が行うほどなのか、あるいはそれに特化して商売が成り立っている事業者がいるほどなのか。同じ島でも50人と12,000人の世界はまったく違うものだとひしひし感じました。

小宝島の通船作業には多くの人たちが集まるため、情報交換の場になっているそうです。このことは、小宝島に限らず悪石島と宝島でも共通している点でした(時間次第では通船作業をする人以外も集まります)。後の取材で、そうした文字通り「顔の見える関係性」が、十島村の離島留学制度である「山海留学」の魅力にも反映されていると感じました。

その詳細は、またおって公開されるレポート記事にてお伝えいたします。

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