島での子ども時代に「楽しかったこと」って何? リトケイ読者に聞きました
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前回、NPOリトケイでは、互いに支え合える地域共生社会(=シマ)にある人・自然・文化の中で人間力を育む「シマ育」の可能性について、有識者の汐見稔幸先生...
島は「人が育つ環境」として大きな可能性を秘めています。しかしながら、子どもたちの数は急激に減少し、2010年から現在までに2万人近くが減少しています。この現状をどう捉え、どう切り拓いていくのか。リトケイ読者の意見を紹介します。
※この記事は『季刊ritokei』44号(2023年11月発行号)掲載記事です。フリーペーパー版は全国の設置ポイントにてご覧いただけます。
※ アンケート回答(ペンネーム)
『いま、奥尻島(おくしりとう|北海道)では高校生は島留学制度で、60人程度入ってきていますが、とにかく産まれてこない。
産み育てたくても、幼稚園はあるけれど保育所がないので、3歳未満の子を預けて仕事したくてもできないし、そういう若い人すら入ってこない状況。
役場職員で移住者が増えてきているので、そういう方々に期待しています。』(よーよーよー)
『昔は離島と本土では情報格差など色んな格差があったと思いますが、今は大幅に解消されていると思います。
離島ライフの魅力を積極的に発信して周知することが、子どもの数の減少に歯止めをかける対策になるでしょう。
ただ、島に移住すると、子どもが離島で得られる特別な経験と引き換えに、本土で得られるはずだった経験が限定的になります。親としては不安を感じるでしょう。
何か良い手段がないものかと思います。』(海辺野夏雲)
『日本全体がシュリンクしているので離島だけを止めることは難しい。出産ができない(手術や輸血、入院など)医療も脆弱だし、高校から大学に進むには島を必ず出なければならない環境は昭和からずっと変わっていない。』(カンパチ)
『島に戻っても不便だし仕事もないから仕方ない。』(hi)
『厳しい離島での生活ですから減るのも分かります。大人が住まない。特に官庁や企業が住もうとしないのですから、子どもも推して知るべしでしょう。
離島防衛などと言うなら公務員が率先して住むべきではないかと。』(サリー)
『奥尻高校が行っている島留学制度はとても良いと思います。1期生を祖母の民宿で3年間お預かりしていました。
生徒同士も良い刺激になり、地域の方々もこれまで以上に高校に興味関心を持っていただけるようになったと思います。このような活動はこれから必須になってくると思われます。
また、これからは高校卒業後も島に残れる環境を整え、島で働ける環境をつくっていくことも必要だと感じております。』(訛りが抜けない離島の野生児)
『生活水準の上昇に伴い、教育環境や所得の向上が最優先されるようになり、制約の多い島しょ部から都市部に親世代が流出したのだと思う。
島の就業環境が向上すれば流出の抑制につながるが、交通・流通などの制約が多いことが企業進出のハードルになっている(悪循環)。』(たまさん)
『実子に島外で無理をさせずに「いつでも帰ってきて仕事したらいい」「休憩したらいいじゃないか」と伝え、島外の子どもたちを受け入れる交流事業に取り組んでいる団体を応援している。』(未来へ)
『島からでも、中学受験ができることを実践してみたくて、我が子に勉強を教えています。一人目は、この春、塾なしで公立中高一貫校へ進学しました。』(かずえ)
『子育て移住の促進のため、ファミサポに代わる制度として子育てシェアアプリを推進する団体を結成したり、フリースクールを開校したり、子育て中でも働きやすくなるように、働き方の多様化を島内の企業に推進したりしています。』(瀬戸猫なみ)
『町内会の大人が協議会を立ち上げ、有志でNPO法人を設立。子どもたちが夜間に運動できる機会を創出したり、地域おこし協力隊の方々と協働したりしている。』(カメ)
『産婦人科医として、安心して妊娠、出産できることが人口減少や出生率の低下に影響していると思うので、島に持続可能な周産期、産後ケアなどの提供ができないか考えている。』(ことく)
『地域にある県立高校の島留学を応援している。』(うりぼう)
『「島の子育ての良さ」を相対化する。』(もきち)
『自宅の一部を無料で泊まれる部屋として提供。島外の人が島の暮らしを体験し、リピート(関係人口創出)につながるか実験している。中長期滞在用のシェアハウスも準備中。
移住や二拠点居住の初期費用を減らし、ハードルを下げる狙い。』(いしおのヨメ)
『子育てと教育の課題を解決しないと子育て世帯が定着しないと考え、子育て支援と小学生の体験機会を創出するための団体(一般社団法人キッズポート)をつくって、施設運営をしている。まだまだこれからですが。』(さえ)
『特に自分が主体という訳ではないが、小さいころから島に連れて行き、環境の違いを楽しませるようにしている。
関わりしろを増やす、接点を増やして関心を持たせるということは大切だと感じる。
そこから選択肢として離島留学のようなものも浮かんでくるのではないか。』(babayoh)
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